がんの治療 ：

今日患者さんに、

先生はがんは治せますか？
と聞かれました。


がんを含め多くの難病を抱える人は、
自分は良くなるのか？生きられるのか？
といった不安や焦り、自分の苦しみを誰にも理解されない寂しさなどを抱えています。

自分の母親がそうであったようにがんの方などは強い痛みを伴いますので、
治りたい！よりもこの苦しみから逃れたいという気持ちが強いと思います。

そういった方はこれ以上治療を増やす事を望んでいない場合が多く、
がんの直接的な治療よりも、ただつらい所に優しく触れて痛みを緩和してくれたり、自分の苦しみを真摯に聞いてくれる事の方が大切だと思うのです。

そのただ触れる、患者さんと向かい合う、
という所に本当の徒手療法の意味があると思うのです。

それを安全に安心感のあるようにするために技術や知識が必要で、そこを妥協しないのが徒手療法家の作法なのです。

治った治らないという生きている情報にとらわれるのではなく、
その人が生きていくという事を考えると、徒手療法は大変意義のあるものだと思うのです。

自分を取り巻く苦しみからふっと抜け出した時に、もしかしたら病気が治るという事があるのではないでしょうか？

自分が徒手療法家になった大元を辿ると母親のがんの治療に行き着くので、ようやっと自信を持って治療ができると言えるようになりました。

長かったなぁ…